最近住宅でも急速に台所の加熱機器がガスコンロからIH(インダクション・ヒーター)調理機器に切り替わっていますが、元々このIH調理器はおよそ20年程前に業務用で開発された機器です。
 我々の厨房業界ではIH調理器のことを電磁調理器と言っています。火のないところに煙が出る不思議な機械です。加熱の仕組みは「電磁誘導加熱」という方式で、磁力線により金属自体を発熱させる原理を利用しています。磁力発生コイルに高周波電流を流すと磁力線が生じ、トッププレートに置いた鍋の底に過電流が流れます。この過電流と鍋の素材自体のもつ抵抗によって鍋自体が発熱するのです。
 鍋を他の熱源によって加熱するのでなく、鍋自体が熱源となるため熱効率が非常に高くなるのです。一般的にガスの効率が50%なのに対して電磁は85%と言われています。