日経レストラン編集長の遠山敏之氏が以下のようなことを述べられています。
外食産業にも地域格差が及んでいるようです。
 世は格差社会と言われます。外食でも「マクドナルド」やカレーチェーンの「CoCo
壱番屋」が、地域別価格を導入するなど、営業地域による差が現実のものとなってい
ます。私自身、いろいろな地方にうかがって、営業の状況を見聞きする中で、地域差
を実感していました。
 そんなこともあって、今月発行した「日経レストラン」の10月号で、大規模な調査
を仕掛け、特集に仕立てました。タイトルは「外食格差の実態」。「日経レストラ
ン」の読者である飲食店経営者約270人と、一般の消費者800人それぞれにアンケート
をしたのですが、実に面白い結果が出ました。
 例えば、地域格差。昨年に比べた売り上げの状況を、飲食店経営者に聞くと、東京
や中国地方は、「良かった」が「悪かった」より多かったのに対し、北海道や四国は
「悪かった」派が、圧倒的に多くいました。
 店舗所在地の人口規模別の分析も興味深いものでした。好調なのは「50万人以上」
や「35万~50万人」の都市にある店。地方の中核都市への人口集中が進んでいる経済
実態からするとうなずけます。逆に不調なのは、「5万~10万」や「3万~5万」の中
堅規模の都市。地方中核都市ほど消費の厚みがないのに、大手チェーンの地方進出が
進んでいく中で、個人店が苦戦している様子が見えます。意外に好調なのは「1万~3
万人」の小規模都市で、人口が少なくても競争が少ないため、個人店でも生き残って
いるということなのでしょう。
 消費者の外食への支出意欲も様々な差が出ました。年齢・性別で分けると、20代女
性と40代男女の意欲が高い反面、30代は男女とも低調でした。景気回復で経済的な余
裕が生まれた世代と、子育てで余裕がない世代との違いが出ているということのよう
です。 飲食業は25兆円もの市場規模がありながら、公的な調査データが少ない産業だとい
うことは、以前にもこのメルマガで指摘させていただいたことがあります。その代わ
りができるとは思っていませんが、飲食店経営専門誌として飲食業のお手伝いをして
いる我々としては、折に触れてこうした調査を実施し、お役に立てればと思っており
ます。