景気の悪化、ガソリン高、値上げなど、様々な要因から、消費者の外食マインドが冷え込んでいるといわれるが、実際はどうなのだろうか? また、今後冷え込むことしたら、削減の対象となるのは、どんな外食なのか。外食支出の現状と今後を探るため、20代以上のインターネットユーザーに聞いたところ、外食支出を「今後、減らす」とした人は3割に上った。減らす対象としては、「平日の昼食など、普段の食事」が57.7%で最多だった。調査期間は2008年5月01日~02日の2日間。300名の回答を集計した。

●外食の出費、この1年で「増えた」という人が多いが……
外食マインドは既に冷え込んでいると思いきや、この1年で外食支出が「増えた」という人は「減った」という人より多く、回答者の30.7%に上った。


●今後は「減らす」という人の方が多い
外食支出を「今後、減らす」という人は26.0%に上り、「増やす」派(6.0%)を大きく上回った。「最近は食材の価格が高騰して飲食代も上がっているので、外食をなるべく控えるようにしている」(25~29歳男性)、「この不況で、なおかつ何でも値上げされるなんて、世の中狂っているとしか思えない。もう(外食で)余計なお金を払うのはうんざり」(30~34歳男性)といった声が聞かれた。景気悪化に伴い、今後消費者の外食離れはますます進むことが懸念される。


●減らす外食は「普段の食事」。“外食支出の二極化”が進みそう!?
今後、減らす外食機会として最も多かったのは「平日の昼など、普段の外食」(57.7%)。仲間と集う飲み会や祝い事などの特別な外食と違い、普段の食事は一人ですることも多く、比較的切り詰めやすいためと思われる。「減らす」と答えた人が続いて多かったのは「値段が高めのお店での外食」で44.9%。ただ、その一方で、自由意見欄では、「友達との付き合いでの出費は、その時間を大切に思うことで惜しみなく」(35~39歳女性)、「気分転換としての外食では、値段は気にしない」(30~34歳女性)、「回数を減らし、1回の内容を良いものにしている」(45~49歳)といった意見が目立った。普段の外食費は切り詰めつつ、お金を使うときは使うという、“外食支出の二極化”が進みそうだ。


●「最近、割引メニューやお得なセットを選ぶようになった」人は4割
飲食店のメニューの選び方に“節約傾向”は現れているだろうか。「飲食店で注文をする際、最近心掛けていることはありますか?」と聞いたところ、「割引がきくメニューやお得なセットを選ぶようになった」という人は38.7%に上った。「より安い商品を選ぶようになった」という人も25.3%いた。


●3割が、自宅での料理機会を増やしている
外食の回数を減らしている人は、代わりにどのような形で食事をとるようになっているのか。「この1年で、外食以外で増えている食事形態はありありますか?」と質問したところ、33.7%の人が「自宅で料理を作って食事をすること」と答えた。


●今後、飲食店に求められるキーワードは「非家庭味」「集いの場」
アンケートでは、普段の外食費を切り詰める一方、記念日など特別な機会の外食や仲間との集いについては、それほど消極的ではない消費者の姿が浮かび上がった。飲食店が今どきの消費者の心をつかむには、「家庭では食べられないもの」や「気分転換や集いの場としての心地よさ」を提供する必要があると言えそうだ。前者については、アンケートの自由意見欄でも、「中途半端なものを店で食べるくらいなら自炊し、家でなかなか食べられないものを外食するというポリシーに最近変えた」(25~29歳)、「自分では料理できないメニューを選ぶようにしている」(45~49歳女性)といった声も多く聞かれた。