経営再建中の外食大手すかいらーく(東京都武蔵野市)の谷真社長は13日、毎日新聞の取材に対し、今春から低価格の中華レストランを新たに全国展開する方針を明らかにした。低価格が人気の洋食店「ガスト」の中華版で、消費者の節約志向に対応し集客力アップを目指す。
 新ブランドは「チャイナカフェ・ガスト」とする方向。3月に鹿児島、福井県で実験店2店を開業し、今年後半からグループの中華レストラン「バーミヤン」の一部を衣替えする形で全国展開する。
 1人当たりの客単価はバーミヤンより100円安い800円台前半に抑え、バーミヤンで490円のチャーハンは「300円台で提供する」(谷社長)。従来、店内で行っていた材料の前処理などを工場に集約し、「店内作業を減らし工場稼働率を向上させることでコスト削減を図る」(谷社長)方針だ。
 和食分野も「夢庵」に代わる低価格店「おはしカフェ・ガスト」を08年末の7店から46店に拡大する。谷社長は「低価格のガストブランドを和洋中とそろえる」と強調、今年末で全廃する「すかいらーく」に代わる主軸ブランドに据える。高齢化で需要が高まっている宅配事業はガストなど約900店で実施中だが、今後3年で約1500店に増やす。
 一方、他社との事業提携について、谷社長は「(すかいらーくにない)駅前店舗を持つ会社との提携を検討する」と指摘。再上場時期については「11年までの3カ年計画で経常損益を黒字化し、12年中の再上場を目指す」と述べた。