日本フードサービス協会が26日発表した外食産業市場動向調査によると、08年の外食店売上高(既存店ベース)は前年比0・8%減となり、3年ぶりにマイナスに転じた。比較的低価格のファストフードは堅調だったが、郊外店が多く、客単価が高いファミリーレストランや夜間営業のディナーレストランは低迷した。昨年9月のリーマンショック後の景気後退で消費者の「外食離れ」は長期化しそうで、外食各社は不採算店のリストラを進めるほか、値下げによる顧客確保などで収益の改善を急いでいる。【田畑悦郎、森禎行】

 業態別では、ハンバーガーチェーンなどのファストフードは1・3%増と堅調だった。最大手の日本マクドナルドホールディングスによると、既存店売上高は昨年4月以外は前年実績を上回った。これまで通り「100円マック」などで割安感を打ち出す一方で、セットメニューなどで売り上げを確保。また、クーポン券配布や営業時間の延長などで消費者をつなぎとめる戦略が奏功した。同協会はその他のファストフードについても「低価格のめん類チェーンが特に12月は好調だった」と話す。

 一方、1人当たりの客単価が2500円を超える高価格のディナーレストランは3・4%減と低迷。特に12月は前年同月比9・3%減と落ち込んだ。消費者が節約志向を強めた影響とみられ、郊外型店が多くマイカー客が減ったファミリーレストランも前年比3・3%減と低迷し、特に9月以降は11月を除き、4~7%減だった。

 喫茶チェーンは前年比0・2%増と健闘。値上げの影響で客数は3・5%減と落ち込んだが、客単価が3・8%増で、客数減を補った。同協会は「女性を中心に、通常の外食店に代わって昼食時に喫茶を利用する需要が増えている。食費節約の目的もあるようだ」と話す。