社団法人日本フードサービス協会(略称JF、本部東京都港区)が発表した外食産業市場動向調査の08年年間結果によると、全業態トータルの年間の全店売上高は、前年比101.3%と前年をわずかに上回った。客数(100.6%)、客単価(100.7%)も微増となった。

同調査は、協会会員社を対象に行うもので、新規店も含めた外食市場の全体的な動向や業態の変化を把握する「全店データ」を業態別に集計し、前年同期比の指標として表している。

「ファーストフード」「ファミリーレストラン」「パブレストラン/居酒屋」「ディナーレストラン」「喫茶」「その他」の業態別の売上高で前年比プラスとなったのは、ファーストフード(103.7%)と喫茶(102.8%)の2業態のみ。パブ/居酒屋は前年と同じ(100.0%)で、ディナーレストラン(98.9%)、ファミリーレストラン(98.4%)はマイナスとなり、業態間のバラツキが拡大している傾向が現れた。

全業態トータルの客数(100.6%)、客単価(100.7%)は前年比で微増となったが、業態別で客数を伸ばしたのはファーストフード(102.3%)とその他業態(106.1%)のみ。残りの業態では客数が減少した分を客単価の上昇でカバーし、前年並みの売り上げを維持した。ただし、ディナーレストラン業態だけは、売上高、店舗数、客数、客単価のいずれもが前年を割り込んだ。

既存店ベースで見ると、全業態トータルでは売上高、客数は前年を下回ったものの、客単価が100.5%の微増となった。 なかでもファーストフードの既存店は売上高、客数、客単価のすべてで前年を上回り、力強さが際立った。

月別に全体の売上高を見ると、4、6、9月で前年をわずかに下回った。10月以降では前年同期比で10月104.2%、11月111.0%、12月104.0%と売り上げを伸ばしたファーストフード業態の強さが際立った。

業態別客数では前年同期比、ファーストフード102.3%、ファミリーレストラン98.2%、パブ・居酒屋97.4%、ディナーレストラン99.5%、喫茶97.1%、その他106.1%。全業態トータルでは4~6月、9月、12月の5ヶ月間で前年を割り込んだ。なかでも喫茶は、3月以降7月を除いてすべて前年割れで8月(92.0%)と11月(92.3%)、12月(93.7%)は特に大きく落ち込んだ。

客単価を見ると、全業態、全店トータルでは7月を除いてプラス成長を記録した。業態別では、ファーストフード101.3%、ファミリーレストラン100.2%、パブ/居酒屋102.7%、喫茶105.9%でプラスとなり、ディナーレストラン99.4%、その他97.2%がマイナスだった。なかでも喫茶業態では1年間すべての月でプラスを記録。3月以降は105%を超える成長ペースを続けている。パブ/居酒屋業態では2月以降、ファーストフード業態では8月以降プラス成長を続けている。その一方、ディナーレストランは7月以降、ファミリーレストランも9月以降客単価が前年割れを続けている。