かつて“十徳ナイフ”という商品が一世を風靡したのをご存知だろうか。ハサミ、栓抜き、缶切りなど10の用途が、このナイフ一つでこと足りるという、画期的な工具。

そんな、実用的な器具の新情報をキャッチした。これは十徳ナイフとは全く違い、調理専用の器具。その名も『ののじチョイットくん』。
まず形状が、何にも似ていない。この個性的な形で、どのようなことができるのか。商品を開発した株式会社レーベンにお伺いしてみた。
『ののじチョイットくん』が活躍するシチュエーションは、以下である。
・菜箸として
・へらに残った味噌などをこそぎ取る
・お皿の盛り付けのサポートに
・真ん中の出っ張りで、パスタのゆで加減を見る
・スープなどの味見に
・ドレッシングをかき混ぜる
・(ハンバーグなどに)ソースをかける
・鉄板にコゲがついているときのコゲ落とし
・プルタブ缶開けに
などなど、まさに“キッチンのマルチプレイヤー”。

この商品、実はメーカーの開発者のプライベートから生まれた。
家で目玉焼きを焼いていた開発者が、へらに目玉焼きを乗せようとしたが上手く乗らない。「手でやると熱いし、箸でやると面倒。スプーンでもチョットな……」。そんな、ちょこっとした時に面倒な作業を、「1本でこなせるようにしよう!」と思い立ち、この『ののじチョイットくん』が開発された。

商品名は、「メインではないけれど、ちょこっとした時に使う」から“チョイットくん”とネーミング。
「あとちょっとサーバーに乗ってくれれば返しやすいのに……」
「あっ、盛り付けるのに食材が落ちそう」
「うーん、麺の茹で加減調べたいけれど、一本だけが取りにくい……」
そんな、調理の“ちょっともったいないな”“ちょっとヒヤヒヤ”“ちょっとイライラ”をサポートしてくれる“調理サポートグッズ”なのである(「ののじ」とは、株式会社レーベンのブランド名のこと)。

この『ののじチョイットくん』、サイズは16×5.6cmでスプーンよりも少し小さめの器具なのだが、この小さなボディには緻密な計算が盛り込まれている。
さじ部がスプーンより大きかったり、カップ部が深かったりすると味見の際に残ってしまうので、サイズを少し小さめに製作。角度も、スプーンよりも平べったくして、味見しやすいように配慮。持つ部分は、手に熱さが伝わらないギリギリの長さにしている。長すぎるとジャマになってしまうので、無駄に長くない。表面はミラー仕上げでピカピカに。サッと水で濯げば、他の料理の味見にもスグ使える。汚れがつきそうな余分な部分は全て排し、邪魔にならないように計算された全体のサイズ。取っ手の部分には穴があいているので、スプーンと違ってどこかに引っ掛けることも可能。

どうですか! 本当に全方位に気配りされている。実用性も使いやすさも非常に高得点なのである。

この『ののじチョイットくん』は、10月中旬より全国の東急ハンズ、一部百貨店、株式会社レーベンのウェブサイトで販売されている。価格は420円。
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