吉野家ホールディングス(HD)は7日、傘下の牛丼チェーン「吉野家」の9月の既存店売上高(速報)が前年同月比5・9%増だったと発表した。前年実績を上回るのは2009年2月以来、19カ月ぶり。9月7日に低価格の新メニュー「牛鍋丼」(並盛り税込み280円)を全国発売したことで、売り上げ、客数がともに回復したという。
 安部修仁社長は同日、東京都内で会見し、牛鍋丼の成果について「インパクトがあった」と話した。
 既存店客数も同24・5%増と回復した。ただ、「来店客の注文の約6割が『牛鍋丼』になっている」(同社)ため、既存店客単価は同15%減となった。
 9月は牛丼最大手「すき家」を展開するゼンショーが同16・9%増、3位「松屋」の松屋フーズが同7%増とプラスになっており、3社そろって前年実績を上回る結果となった。すき家、松屋の好調要因は、3社とも9月も引き続き、期間限定で牛丼並盛りを“業界最安値”の250円で販売しいたためとみている。