<全体概況>
 政府が12月に発表した月例経済報告では、「デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っている」としながらも、「景気が持ち直していくことが期待される」としており、消費の本格的な回復が待たれる。
 外食産業の12月度売上状況は、全業態トータルで前年比101.9%と6ヵ月連続で前年を上回った。各社の積極的な販促策や新商品の投入が功を奏したとみられる。近畿地区で雨天日数が前年より多かったものの、全体の客数が前年比102.7%と好調に推移した。客単価は前年比99.2%と下回ったが、前月の98.7%からはさらに上昇した。

<業態別概況>
■ファーストフード業態
・ 客単価が99.6%と微差で前年を下回ったものの客数は104.1%と伸び、売上は103.6%と前年を上回った。業種別では、麺類は、店舗数前年比111.5%と旺盛な出店意欲もあり、売上前年比は109.6%と伸びた。和風は、客単価は前年割れの94.1%だが前月よりは回復し、客数が111.6%と前月に続き伸びを示したため、売上は105%と前年を上回った。一方、洋風チェーンの客数は100.8%だったが、クリスマス需要による商戦で客単価が102.2%と伸び、その結果売上も103%と前年を上回った。

■ファミリーレストラン業態
・ 客単価は99.6%だが、客数が100.5%のため、売上は100.1%と前年を上回った。業種別でも、中華の97.6%、焼き肉98%、和風も99.0%と前年を下回っているが、洋風が好調で業態全体では堅調な回復基調に移行しつつある。

■パブ・居酒屋業態
・ 客数100.8%、客単価99.3%で売上は100%と前年並みだった。居酒屋は、客単価が99.3%だったが、客数が101.8%と前年を上回ったため、売上前年比は101.1%と3ヶ月連続で前年をクリアした。また、居酒屋は店舗数も103.3%と前年を上回った。

■ディナーレストラン業態
・ 客数99.7%、客単価102.4%で、売上高102.1%と前年を上回った。

■喫茶業態
・ 客単価は99.9%だったが、客数100.3%と伸びたため、売上高100.2%と前年を上回った。