どんなことでも,始まりがあれば終わりがあるものです。
しかし,始めたときには,終わりのことなど考えないのが当たり前です。
 せっかく今スタートしたんだから。これからどうするか考えるんだから。
始まりの時に終わりのことを考えることは縁起がよいことではない,とも言わ
れます。なにしろ,スタートというのは,おめでたいことなのですから。
 そんなめでたい始まりの時に,終わりを考えようなどとは言いません。
お伝えしたいことは,始まりには終わりがあるとどこかできちんと自覚しておくこと,です。
どんなに自信満々で始めたことも,どんなに愛着があることでも,もうダメだ!と思ったら見切ることが社長には求められます。実行することすべてがうまくいくことなどあり得ません。
うまくいかないことや失敗もあるものです。そんな時に,引きずらないで,スパっと止めてしまう。
「見切る能力」こそトップに求められる力です。
見切る能力を高めるには,自分の軸足を自分や自社など「売り手」においておいては,困難です。
つねに顧客の立場で,消費者の立場で,生活者の立場で,どうだろうか?と客観的に考える習慣が見切る能力を高めることになります。
 いかがでしょうか。あなたは,いま手がけていることを,もうダメだ!と判断したとき,スパっと見切ることができますか?トップには始める勇気だけでなく,終わらせる勇気も必要だということです。