日経レストラン編集部水野さんの記事を抜粋します。

早いもので今年もあとわずか。2010年12月号では、2011年外食大予測」を担当しました。
 来年を占うキーパーソンとして注目の経営者の皆様に「もっとドリンクを売るには?」
などテーマ別にインタビューをさせていただきました。その1人として、「地方の大型店(店舗面積40坪以上)を繁盛させるには?」という内容でお話をうかがったのが、
三ツ星カンパニーの星野穣久社長。若干、30歳にして山梨県を中心に直営店を14店舗も展開するやり手社長です。
 そのユニークな戦略は是非、本誌12月号をお読みいただきたいのですが、同社が展開する全品280円均一の居酒屋「三ツ星マート」では、ペン型端末を使ったセルフオーダーの仕組みを導入しています。お客として利用してみて、セルフオーダーの仕組みにあらためて将来性を感じました。
 例えば、「三ツ星マート」の場合、「0円メニュー」としてオーダー端末で「お冷」や「おしぼり」を頼めるだけでなく、「料理はまだ?」とか「飲み物はまだ?」といった催促をしたり、寒いときには「ひざ掛け」を持ってきてもらったりもできます。
さらに、「お役立ち便利ツール」という名称で、頑張っている店員さんにソフトドリンクを1杯おごる(280円)、記念写真の撮影を店員さんに手伝ってもらう(0円)、さらには、学生だからサービスして(0円)といったお願いごとまで、端末を使ってできます。
 端末を使ったセルフオーダーは店員による接客が少なくなりがちで、せっかく飲食店に来たのに味気ないと感じる人も多いかもしれませんが、工夫次第で、逆にコミュニ
ケーションを取る機会を簡単に作れると感じました。
 また、「料理はまだ?」など、面と向かわなくてもクレームが告げられるので、我慢をし続けて、最後に大爆発するというお客さまも減るのではないでしょうか。
 もちろん、セルフオーダーの仕組みがすべての飲食店に向いているとは思いませんが、時代に合わせて工夫することの大切さをあらためて感じた次第です。