(財)食の安全・安心財団の附属機関である外食産業総合調査研究センターが、2010年の外食産業市場規模を発表した。それによると、2010年の外食産業は、世帯1人当たり外食支出額はわずかに増加したものの、法人交際費等の減少傾向等により、外食産業市場規模は、ほぼ前年並みの23兆6450億円だった。

各部門ごとの市場規模は以下の通り。

<給食主体部門>
 飲食店、宿泊施設、社員食堂、病院給食などを含む「給食主体部門」の市場規模は、18兆9792億円で、前年より0.5%増加、外食産業市場規模全体の80.3%を占める。
 「給食主体部門」のうち、飲食店、宿泊施設などの「営業給食」の市場規模は、15兆6919億円で、前年実績を上回り前年より0.5%増加し、全体の66.4%を占めている。
(1)「飲食店」の市場規模は、前年より0.7%増加し、12兆6996億円となった。内訳をみると、ファミリーレストランや定食店などの一般食堂、日本料理店、西洋料理店、中華料理店・その他の東洋料理店(焼肉店等も含まれる)を含む「食堂・レストラン」は対前年増減率で0.9%増、「そば・うどん店」(立ち食いそば・うどん店も含まれる)は同0.7%増、「その他の飲食店」(ファストフードのハンバーガー店、お好み焼き店も含まれる)は同1.8%増、回転寿司を含む「すし店」は同1.4%減少であった。
(2)ホテル、旅館での食事・宴会などの「宿泊施設」の市場規模は、不況等の影響で宿泊単価や稼働率が悪化し、全体として前年より0.5%減少した。

 学校給食、事業所給食、病院給食などの「集団給食」の市場規模は、前年より0.4%増加し、3兆2873億円で、全体の13.9%を占めている。

<料飲主体部門>
 「料飲主体部門」の市場規模は、4兆6658億円で前年より1.9%減少し、外食産業市場規模全体の19.7%を占めている。
 「喫茶店」は、1兆104億円で前年より0.6%増加した。また、「居酒屋・ビヤホール等」は前年より1.7%減少の9949億円に、「料亭・バー等」は、前年より2.9%減少し2兆6605億円と推計される。

 また、外食産業とは別分類の、「料理品小売業」(持ち帰り弁当店、惣菜店、テイクアウト主体のファストフードなど)の市場規模は6兆2342億円で、前年より2.4%増加した。この両者を合計した広義の市場規模は29兆3609億円で、前年より0.5%増加した。