日本の食文化の世界無形文化遺産への登録を議論していた農林水産省の検討会(会長、熊倉功夫・静岡文化芸術大学学長)は4日、登録を目指すよう求めた最終報告を取りまとめた。農水省は今後、文化審議会にはかったうえで、今年度末までのユネスコへの申請を目指す。
 検討会では、東京電力福島第1原発事故で揺らいだ日本の食への信頼回復などを目的に議論を行ってきた。
 検討会は、日本の食文化の特徴を「米飯を中心とした栄養バランスに優れた食事」「だしのうまみや発酵食品の活用」と定義。具体的なメニューまで絞り込まなかった。当初は「会席料理を中心とした」という表現を前面に出す案があった。ただ、「高級な印象を受けるのでは」との意見もあり、より幅広い「和食」という表現を盛り込む方向で申請内容をまとめる。
 農水省によると、料理や食文化に関するものでは、「フランスの美食術」「スペインなどの地中海料理」「メキシコの伝統料理」が既に無形遺産に登録された。このほか、「トルコの『ケシケキ』の伝統」と「韓国の宮中料理」が申請されている。