ステーキ、ハンバーグといった肉類と、サラダバーを売りものにしたファミリーレストランが、快進撃を続けている。
 デザートやカレーなど子供が喜ぶサラダバーを充実させたうえ、お得感のあるセットメニューを設定し、ファミリー層を呼び込んでいる。ファミレス業界の市場規模が縮小に向かう中、ハンバーグなどに特化したファミレスは成長が見込まれており、競争が激しくなっている。
 ロイヤルホールディングス(HD)傘下でステーキ中心のファミレス「カウボーイ家族」国立店(東京都国立市)は21日、23日のオープンに先駆けたプレイベントを行い、多くの家族連れでにぎわった。
 目玉は米国産牛肉を使った「カウボーイステーキ」(150グラム1029円)と、「ハリスさんの手づくりハンバーグ」(同)で、サラダバーのサラダやカレー、パスタ、デザートなど30種類近くのメニューが食べ放題となる。家族でステーキやハンバーグを楽しみながら、子供がバーカウンターからカレーやアイスクリームを好きなだけ取ってはしゃぐ姿が目立った。
 ロイヤルHDは2010年末から、主力の「ロイヤルホスト」の一部を「カウボーイ家族」に試験的に転換。その結果、売上高が1.6~1.7倍に伸びたため、3月から全国展開を始めた。14年末までに全国50店体制にする。矢崎精二社長は「家族や地域の人々が楽しく過ごせるレストランにしたい」と話す。
 すかいらーくは10年3月から順次、低価格チェーンの「ガスト」や中華料理の「バーミヤン」を、ステーキやハンバーグにサラダバーがつく「ステーキガスト」に転換している。転換前より客足も伸び、売上高が約1.5倍に急伸した。2月末までに全国157店に増やし、今後も転換を進める計画だ。
 こうした大手チェーンの動きに先行したのは、新興外食チェーンのエムグラントフードサービス(東京都渋谷区)だ。同社が全国に229店を展開する「ステーキ ハンバーグ&サラダバーけん」は06年5月に1号店を出店。価格はステーキやハンバーグにサラダバーがついて1000~1500円前後とした。
 地域密着型で「子供が行きたくなる店」をテーマにしており、昨年10月には店内でわたあめが作れる機械を導入するなど、独自の「お子さま」対策を進める。他社が撤退した店舗を居抜きで借り上げ、出店コストを最小限に抑えていることも特徴で、ファミリー層に広く支持され、13年末までに全国400店を目指す勢いだ。
 民間調査会社の富士経済によると、ファミレス業界の市場規模は、06年の1兆5841億円から12年は1兆3628億円に縮小する一方、ステーキやハンバーグに特化したファミレスは06年の1445億円から12年は1774億円に拡大する見通しだ。
 少子高齢化で単身世帯も増えるなか、いかに「お子さまファン」を増やし、大人になっても通い続けてもらえる魅力づくりが今後の成長のカギを握りそうだ。(金谷かおり)