<全体概況>
 東日本大震災から1年を迎えた3月は、全国的に雨天日が多かったが、平均気温は昨年よりやや高めに推移し、休祝日が1日多かったことと前年からの反動もあり、各業態が数字を伸ばし、外食業界全体の客数は前年比110.7%、売上高は同113.1%と回復基調を示した。特にパブ/居酒屋やディナーレストランなど比較的客単価の高い業態では、昨年自粛されていた宴会需要が増え、売上が大きく伸びた。しかし週末に集中した雨天の影響を受けた店舗も多い。低迷が続いていたファミリーレストラン業態の焼き肉は、全体で見ると売上高112.8%と好結果だが、店舗によってバラツキがあり、回復の兆しがあるとは言いきれない。
 
<業態別概況>
■ファーストフード業態
FF業態の売上高は110.1%であった。業種別では、洋風が積極的な新メニューの投入やキャンペーンの展開を行ったものの悪天候がマイナスに作用し、売上の伸びは107.8%に留まった。和風もクーポンや値引きによる客単価の低下と、主力である週末の雨天が響き、売上高は105.8%となった。一方、麺類は積極的な店舗展開と客数増に支えられ売上高119.0%、持ち帰り米飯・回転寿司は大震災時の休業や時間短縮の影響の反動により全体の客数は15%以上伸び、売上高も116.9%と好調であった。

■ファミリーレストラン業態
業態全体の売上高は113.2%と好調。総じて昨年の震災の反動で上向き基調だが、店舗によっては客単価が下がり売上が伸びなかったところもある。また焼き肉は、販促キャンペーン等により好調を取り戻した店舗がある一方、低迷から抜けきれない店舗では販促の模索を続けている。

■パブ・居酒屋業態
業態全体では客数120.0%、客単価103.0%、売上高123.6%と大きく数値を伸ばした。昨年より一転し、歓送迎会等の宴会需要が増えたことが大きい。特にパブ・ビアホールは売上高147.9%、客数136.2%と悪天候を吹きとばすような好結果を得た。

■ディナーレストラン業態
パブ・居酒屋業態と同様、天候に左右されない宴会需要が回復し、メディア露出とあいまって客数と客単価がそれぞれ125.5%、105.4%となり、売上高は132.3%と大幅の伸びを示した。

■喫茶業態
週日がメインの業態なので土・日の雨天はさほど影響せず、客数109.4%、客単価102.0%となり、売上高は111.6%と2ケタ台の伸びを確保した。