このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。 (1) 汚染されていた貝類を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
(2) 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
(3) 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合
(4) 家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
(5) ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
などがあります。
 特に、食中毒では(2)のように食品取扱者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が、近年増加傾向にあります。
 また、ノロウイルスは(1)、(2)、(5)のように食品や水を介したウイルス性食中毒の原因になるばかりでなく、(3)、(4)のようにウイルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。この多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。