なんでも完璧にできる社長は,社長としては理想かもしれませんが,社員の立場で考えるとどうでしょうか。
なんか息が詰まりそうになります。
スキがないことは,自分としてはよくても他人から見ると息苦しい印象を与えてしまいます。
僕の知り合いの社長に,大ボケをいつもしている人もいます。
「いや~,先日もまた社員から怒られちゃいましたよ,社長,何度言ったらわかるんですかってね!」そんなふうに笑いながら話す社長です。
「最近は,社長の僕が頼りないってわかったんでしょうね,社員のほうがあれこれ先に考えてやってくれるんですよ。おかげさんで助かっちゃって・・・」
 なんだか頼りない社長だと思いますか?僕は,人の扱いがものすごくうまい社長だと思います。
 社長じゃ頼りない!と,社員から見切られ見捨てられるのではありません。自然と社長を補佐するようにもっていっている。ここがこの社長のうまいところです。
 実は業績が伸びていたり堅調な社長には,このような人が多いことも事実です。仕事ができるということを,あえて社員には見せない。逆に,時々へまをやって,人間らしさをみせていく。
こんな社長は,どこか人間ぽくて,社員も親しみを感じるものです。信頼関係の第一歩は親しみですから,まず親しみを持ってもらうことはとても大切なことです。
 人の上に立つ人間は,少しドジなところがあったほうがいいのです。そのほうが親しみを持ってもらえて,いざというときに話も聞いてもらえます。社員に怒られるくらいでいいのです。それくらいになってやっと社員との目線の高さが近づいたというとことでしょう
 でも目線の高さだけは,永遠に一緒にはなりません。
社長とはこうあるべき。誰に教わったかもわからない,そんな「べき論」「ねばならない論」に縛られていませんか。世間で言われている「べき論」の逆張りでいったほうが,どうもうまくいくような気がしますがいかがでしょうか。