1店目の経営は順調。チャンスを逃さず2号店の出店に乗り出したいが、資金調達がネック──。
こんな悩みを抱える経営者は少なくない。ケーズカラナリープランニングは、それを「ファンド」のシステムでクリアし、店舗数を増やしている。同社が経営する店舗はこの10月で11店になるが、そのうち3店がファンドで出店している。
 仕組みはこうだ。新店舗のコンセプトをホームページ上で公開し、出資を募る。出資者は店舗の年間売り上げに対して配当金を受け取る。配当率は出資金が多いほど上がり、食事券や試食会などの株主優待も受けられる。外食企業らしいリターンだ。
 出資は、1口5万円から。少額で飲食店のオーナーになれるという話題性もあり、資金の調達は順調だ。この方法ですでに、鉄板焼きの「MADOy」(東京・神楽坂)、軍鶏料理の「軍鶏郭茶寮」(横浜・関内)の2店をオープン。この10月3日には3号店の泡盛ダイニングバー「オキナワンバル」(横浜・関内)もオープン予定だ。
この10月にオープンする「オキナワンバル」は、店舗プロデュースにソムリエの田崎真也氏の従兄でもある“泡盛ソムリエ”の田崎聡氏を起用し、貴重な古酒(クースー)を揃える
 ファンド2号店の「軍鶏郭茶寮」は、奥久慈軍鶏や東京軍鶏など、全国の軍鶏を仕入れ、炭火焼きなどで提供する。自然派ワインを揃えるなど、酒類にもこだわる
出資者は、仕入れから清掃まですべてのコストをはじめ、日々の売り上げデータにいたるまで、店舗の運営状況をネット上で閲覧できる。「“オーナー”は、売り上げが伸び悩んでいるのを見ると、友人を集めて宴会をするなど“協力”もしてくれる。この仕組みは、資金調達だけでなく、同時にサポーターを作ることにもなっている」と同社の渡辺賢二専務は話す。
 8月にオープンした軍鶏料理店「軍鶏郭茶寮」は、3940万円の出資金を集めて出した店。開店費用の100%を出資金でまかなっている。「オキナワンバル」も、出資の募集開始から5カ月で、必要な2700万円がほぼ集まったという。今後は、実力やアイデアはあるが、資金がない人材の発掘もしたいという。
リスク分散という見方も出来るが、それだけいい結果を出し続けなければならないという責任も供ないますよねぇ。