人にはやさしく他人には親切に。
頭ではわかっても,なかなか実行となると,できないのが世の常です。
 他人に対してとても厳しい人に,「もっとやさしくしないと」と言っても,変わらないものです。
同じくなにかにつけ乱暴な人に,「もっと丁寧にしないと」と言っても,変わらないものです。
やさしいとか丁寧というのは,主観的な感覚の世界です。その人は,自分なりにやさしく丁寧にしているのかもしれません。
 やさしくや丁寧というのは,どのような行動で相手にわかるか,という視点持つことが大切です。
どんなにやさしく丁寧な気持ちを持っても,相手に伝わらないこともあります。気持ちは,「言動」を通じて相手に伝わる。このことをしっかりと認識する必要があるのです。
 ということは,簡単に言えば,言い方を変えることによって,やさしく丁寧な気持ちが伝わるということです。
さらに言えば,言い方を変えることによって自分の性格まで変えることができる,と言えるでしょう。
毎日無意識に行っている「言い方」は,それだけ実は大きな力を持っているのです。
 今まであまり考えずに行っていた「言い方」を変えてみませんか?やさしさや丁寧さを表現するにはどうしたらいいか?語調や語尾はどうしたらいいでしょう?伝えるスピードは?声の高さはどうでしょうか。敬語はどう使いますか?
 参考になるのは,映画やドラマでの俳優の演技です。この人優しいな,とか,この役柄不気味だな,と感じたときの俳優の「言い方」に注意してみてください。
きっと「おお!こういうことか!」と新たな気づきがあることと思います。なにしろ,俳優・女優は,感情表現のプロですから。
 普段のなにげない「言い方」を少し自覚し修正するだけで,自分の現れ方は変わります。ぜひ「言い方」も意識化してもらえればと思います。