「街コン」というイベントが全国各地に広がっています。
 男女が親しくなるための飲み会「合コン」の会場を街ぐるみに拡大し、地域活性化に生かそうという試みです。
 参加料は男性が6000円、女性が4000円程度。地域の商店街や飲食街が協力し、時間を区切って店を移動し食べ歩きを楽しんでもらいつつ、男女の出会いを演出するという内容が主流のようです。
 さきがけとされるのが栃木県宇都宮市の「宮コン」。2004年に4店が参加し170人で細々と始めたイベントが、いまや市内の50店近くが参加して男女計2400人を招いて年6回開催する規模に成長しました。郊外店に押されシャッター街となっていた中心商店街を活気づけ、店舗同士の連帯感を生むうえでも効果を上げています。
 宮コンの成功が刺激となり、「街コンジャパン」という情報サイトによると120近い運営組織が全国で立ち上がっています。日経MJの紙面でも紹介しましたが、各地で地域の無料情報誌を発行する「ぱど」が街コンの企画や運営の支援サービスに乗り出すほか、地元企業がスポンサーに付くなど関連ビジネスも育ちつつあります。
 細かな運営ノウハウはともかく、複数の飲食店がその気になれば実行に移せるところも魅力のようです。旅行会社と連携した街コンツアーなどの展開も考えられます。
 アイデア自体は非常にシンプルですが、「○コン」という言葉を生み出したことでこれまでなかった市場が生まれました。知恵を絞れば眠れる鉱脈はまだまだありそうです。     (日経MJ 真鍋 正巳氏より)