米国の外食チェーン110(企業数63)のうち、40%が今後1年のうちに破綻の危機に直面する可能性がある――。こんな調査結果を、アリックスパートナーズのニューヨーク支社が発表した。アリックスパートナーズは事業再生を手がける米国のコンサルティング会社。

調査では、110のレストランチェーンを「QSR(クイックサービスレストラン/ファストフード)」「ファストカジュアル(ファストフードよりワンランク上の、セルフ式レストラン)」「カジュアルダイニング(ファミリーレストランなど)」「ファインダイニング(高級店)」に分けて、それぞれに属するチェーンを分析した。ここには、マクドナルドやバーガーキングといったお馴染みの大手チェーンも含まれている。

米国の外食市場規模は5583億ドル(55兆8300万円、2008年)で、日本とは違い今も伸び続けてはいる。しかし、伸び率は鈍化しており、カテゴリー別に見ても、2008年の伸び率が上向いているところはない。「カジュアルダイニング」では、既存店の売り上げが2008年からマイナスに転じており、回復の兆しは見えていない。

EBITDA(税・金利・償却前利益)をみると、4つのカテゴリーのうち「QSR」を除く3つのカテゴリーで、伸び率がマイナスに転じている。

アリックスパートナーズは、Zスコア分析に加え、企業の財務情報に基づく独自の分析を加味し、破綻確立を示す指標を作成した。これによると、調査対象となっている63の企業のうち、約40%が「破綻の危機に直面する可能性がある」という結果になる。

また同社は、2009年1月に消費者1000人に対して行った調査結果も、同時に発表している。その結果、「支出を減らしたもの」のトップは外食で88%に上り、「今後支出を減らしたいもの」でも外食が76%でトップだった。今後1年の外食頻度については、48%が「減らす」と答えており、金額についても45%「減らす」としている。実際の金額としては1食当たり「10ドル以下にする」との答えが51%に上った。昨年の調査の42%から大きく増えている。

こうした結果から、「経済状況が変化し、外食支出を抑える消費者が増えている今、一層のコスト削減努力が必要となるだろう。仕入れ業者の検討、シフトの見直しによる人件費削減、より精緻な需要予測による食材廃棄率の低減などにようり、15%のコスト削減を実現できる可能性がある」としている。